愛馬の涙ながらの刺身

2018/06/26
 
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「人生100年時代突入」という言葉を耳にするようになった。いきなりとは虫のいい話で現在10代の若者に照準を合わせ二人に一人が100歳を迎えるだろうという構想だ既に始まっているとも言われる。早い話が老後が長くなるということで様々な要因で元気に高齢化に向けて「副業・兼業の推進」が社会に取って顕著になっていく。筆者は70代に仲間入りしたが友人から「年寄りの自覚が足りない」と指摘されたことがある。捉えようでどうにでも解釈できるが中身のある年寄を目指すにはチャンスだと思っている。欲深くあと15年をそこそこ生かして戴くと考えるならばまだ青年期である。「人生死ぬまで勉強」と言われるが失敗を伴う貴重な時間だ。これまでの「教育」「勤労」「引退」という3ステージの人生から、「学びながら働く(学生起業)」、「働きながら学ぶ(リカレント教育)」、「複数の仕事や活動を並行して行う(副業・兼業)」、「自身のビジネスを始める(起業)」といった、様々なステージ人生を送るというのが、グラットン氏が言うLIEF SHIFT(ライフシフト)のようである。大いににもがき後世に残せる力を蓄えるために「いっときの恥」をかく道場としてこのブログを成就させたい。目指せエバーグリーンコンテンツ

幼少期から馬が好きで当時のゴミ収集は馬車でした。

「炭屋」のおっちゃんは馬車で石炭を配達してた。
毎日ゴミ馬車と石炭馬車について回った。
最高の楽しみは石炭配達が終わった馬を海に入れ体を洗って仕事終わりだった。
洗い終わると「いいぞ」と言われ馬に抱え上げて貰い「たて髪ば掴んどけ」
馬の尻をげんこつでドンとたたき「帰れ!」と馬に一声かけると私を乗せたまま
10分程の道のりをトボトボ厩舎まで帰っていってた。
厩舎の入り口に来ると必ず止まり私が下りるのを待って厩舎に入った。
付近の草を取って食べさせながら話かけているうちにおっちゃんが帰ってきた。
そんな大好きな馬を食べることになろうとは。

馬が好きな青年は思いがけなく馬と生活を共にするチャンスが訪れた。
日本カー・フェリーの船員になった2か月乗船して15日間の休みがある。
宮崎県日向市のターミナル近くに乗馬クラブを見つけ15日間はドップリ馬三昧。
とうとう頼み込んで厩舎の上のスペースに寝泊まりするようになった。
ある日、馬を運ぶトラックが来た。
「なかちゃーん一緒に来るかー」場長が呼んでる
どうやら私の大好きな由起姫号を乗せるらしい。

由起姫号は気難しくておやじさんか私でないと扱えなかった。

知らない人が近ずくと歯をむいて威嚇するし、後ろ向きになってすぐ蹴る。何度も蹴られたことか。
乗り心地は最高でこちらの思いが不思議なくらいわかっていて大好きな馬だ。

6頭の中で一番好きな馬、私の愛馬だ。
親父に至っては手綱持たずに並足、早足、駆け足を操れる。(ああなりたいな)

本人も一番の愛馬な筈だ。
その由起姫号がトラックに乗ってる。

トラックに乗り込むと親父は無言、ただならぬ空気を感じた。
「何処にいくんですか?」「一癖あるけどいい馬だからお祭りかなにか?」
「このトラックは屠殺場行き」どんなリアクションしたか覚えてないが
あとで聞くと畳こむように「何故だ、理由は、悪いことしてない、馬を見る目がない・・・」と興奮してたらしい。

「わかっとる!考えた上のことお客さんにケガさせる前に手を打ってる」
「降りるか?」「行きます」
屠殺場に着くと不思議なくらい由起姫号がおとなしい。
観念してるのか一点を凝視している。

涙が溢れてくる「ありがとう」以外言葉が出ない。
「ここの人たちの前で涙を見せるな」凄い作業員の方の前の涙は酷だといってるんだ。

由起姫が私を見てる。耐えきれなくて後を向いた。
涙を手で拭い振り返ると目隠しがされている。
作業員の方が杭を打つような大きなハンマーを持っている。
よく見ると真ん中が尖ってる。

ハンマーを構えた「ギャキユッ」眉間に一撃

前のめりに倒れ前歯が数本飛んだ。
すかさず座っている姿勢の眉間にもう一撃
「コポッ」別の作業員のおばちゃんが日本刀のようなものを持ってきた。
頸動脈と思われる当たりに音もなく刀を差し込み引き抜くと心臓音のリズムで

桜色の血が音を立てて吹き出した。
溝は血の川状態。

やがて工場の屋根から電動鋸が下りてきて「シャイーン、シャイーン」と切っていく
そばでは長い腸を開きながら手際よく洗っている。
ここまでくるともう馬ではなくなってる。
じっと作業を見ていると。
「はい!どうぞ鞍下」と肉の塊を親父さんに渡した。
(いつか親父さんが言ってた「馬の肉は鞍下が最高だ」と)

工場の屋根から電動鋸が下りてきて「シャイーン、シャイーン」と切っていく
そばでは長い腸を開きながら手際よく洗っている。
ここまでくるともう馬ではなくなってる。
じっと作業を見ていると。

「はい、どうぞ鞍下肉」

と肉の塊を親父さんに渡した。
(いつか親父さんが言ってた馬の肉は鞍下が最高だ」と)

ショック覚めやらず帰り着いた「霧島にするか?白波か?」焼酎の銘柄を聞いてる。
もしかして早速食べる気かよ。
そんな非常識でしょ。複雑ー
「体調悪いからいいです。」
「気持ちはわかるけど、食べてやれ、美味しいといってやれ」
やっと一切れ口に入れたが味というより口にいれた自分に腹が立った。

奥さんが今日の今日は食べれないでしょうからと言って冷凍してくれた。
休暇中は乗馬クラブに居ることは船のクルーは知っていた。
毎日誰とな来ていた。時にはちょっと出かけ帰ると厩舎の上の私の部屋は占領されていた。
数名は乗馬にはまっていた。
「由起姫号がいないけどどうした?」
「あ、だ誰か場外騎乗してるんじゃないの」
女性クルー含めた数名がつまみをもってやってきた。
真昼間から祝宴。
このメンバーも「端っこにいた馬、名前忘れたけどいないね」
「うーん」と空返事
「クジラ食べるかい」「食べる食べる」
奥さんが冷凍してくれてたブロックをクルーの板前がスライスした。
「うまい、こんな味だったかな」
数名も一応「うまい」と

「実は言ってなかったことがある。」
「告白したか?彼女できたか?」
盛り上がってなかなか言い出せない。
「今、食べてる鯨の刺身、実は由起姫号の肉なんだ」
「え、」しばらく沈黙
「黙っててひどい!」女性軍は怒ってる。
皆が私を見る目つきが変わってる。
涙ながらにいきさつを話すと数名は涙ぐんでる。
「お前凄いよ愛馬を殺してその日に食べるなんて」
皮肉たっぷりに言われたが
久しぶりに来ていたボースンが「中西はそうするしかなかっただろう、責めるな」
とフォローしてくれた。

 

なかなかこんな話はどこでもできないのでしまっておいた。
けど生き様の一部として公開します。

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